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宝石の知識10 クリスタル1
クリスタルについて1
色つき水晶、変わり水晶
人工水晶など、水晶や
クリスタルの種類について
解説します。
■水晶・クリスタルの種類
クリスタルは、
二酸化ケイ素が結晶して
でできた鉱物である石英の
中でも、特に無色透明な
もののことです。
クリスタルと水晶を同等
で扱います。
水晶(クリスタル)は、
わが国においては古くから
良質なものを多く産出して
いたため、国石に指定
されています。
水晶には、色やその他の
条件により非常にたくさんの
呼び名があります。
■色つき水晶
・紫水晶
紫水晶とはアメシストの
和名であり、紫色に色
づいた水晶のことを指します。
発色要因は、内部のケイ素を
置換した微量の鉄イオンに
よるものと考えられており、
加熱するとレモン色や
黄色に変わりやすく、
また紫外線にさらすと
退色してしまいます。
・黄水晶
黄水晶とはシトリンの
和名であり、黄色に色づいた
水晶のことを指します。
発色要因は内部の鉄イオンに
よるもので、紫水晶との色の
違いは色中心のエネルギー
準位の差で発生すると
考えられています。天然の
黄水晶の産出が少ないため、
紫水晶を熱処理して黄色に
したものが市場に多く
出回っています。
・紅水晶
紅水晶とはローズクォーツの
和名であり、薄いピンク色に
色づいた水晶のことを指します。
紅水晶のピンク色は、内部に
含まれる微量のチタン、鉄、
マンガンに由来すると
考えられており、光によって
退色しやすいという特性を持ちます。
紅水晶の中には、特殊効果として
スター効果を持つものもありますが、
これは内部に含まれる微細な
ルチルによるものです。
・玉髄
玉髄(ぎょくずい)とは、
カルセドニーの和名であり、
クォーツ(石英-せきえい)と
モガナイト(moganite)の
非常に細かい結晶が網目状に
集まり、緻密に固まった鉱物の
変種のことを指します。
・煙水晶
煙水晶とは、
スモーキークォーツの和名であり、
煙がかったような灰色に色づいた
水晶を指します。発色要因は、
多量の放射線を受けた微量の
アルミニウムイオンが、
水晶内部で光を吸収するためと
されています。受けた放射線の
量に比例して色が濃くなるため、
この特徴を利用して人工的に
着色する場合もあります。
・黒水晶
黒水晶とは、こげ茶から
黒に色づいた水晶のことです。
煙水晶との区分が明確ではないため、
色の濃い煙水晶との見方もあります。
煙水晶と同じく、人工的な
放射線照射によって着色が可能です。
・レモン水晶
レモン水晶とは黄色に
色づいた水晶のことです。
発色は、結晶の間に入り込んだ
硫黄だとされており、結晶内部から
発色する黄水晶とは区別されます。
・緑水晶
緑水晶は緑に色づいた水晶のことです。
発色要因は、内部の微細な角閃石などです。