買取実績

本日は、金無垢のボーイズデイトジャストをお買取しました。

ドレスモデルは、2023年を折り返すあたりから少々相場が不安定になっていますが、金無垢はそれを気にせず、と言わんばかりの高額を付けています。

買取査定についてご紹介しますので、ぜひ記事の続きもご覧ください。

68278の相場感

1985年頃に前モデルのRef:6827からモデルチェンジして登場した68278。

今回お買取の品はシリアルナンバー93番台と、37年前にあたる1986年に製造されたとされるものとなっております。

前モデルから風防がプラスチックからサファイアガラスへ変更となり、強度も高級感も増しました。

また、金無垢ならではの高級感・存在感はさすがのひとこと。

ケースサイズは31mmで、ボーイズサイズ。男性でも女性でも使えるユニセックスサイズで、多くの支持を得ているサイズです。

2023年8月6日現在、この68278を購入するには最安でも約160万円、状態良好品は200万円弱と、非常に高額です。

金無垢時計は、実際に見ると言葉を失うほどの存在感があります。

その魅力が、そのまま価格に表れているといえるのかもしれませんね。

買取のポイント

では、今回の買取価格130万円を決めたポイントをご紹介します。

①付属品の欠品

今回は、標準付属品がすべて欠品しており、それが買取価格を大きくマイナスする結果となりました。

内箱・外箱、予備のブレスのコマ部品、多くのモデルではクロノメーター認証タグ(今回はノンクロノメーターのムーブメントですので無くてOK)や取扱説明書、そしてギャランティカード。

これらの有無で、高級時計の買取価格は大きく変動します。

特に痛かったのは箱2種類とギャランティカード、そしてブレスの予備コマ。

今回はブレスが長めにできており、欠品コマ数は1個でしたので、それもマイナスポイントではありますが、大きなダメージにはなりませんでした。

長いものを詰めることはできても、短いものを伸ばすことはできませんから、次のユーザーさんの利便性の意味でも予備コマは大切です。

ギャランティカードは、いわゆる保証書ですから、これの有無で買取価格は5万円前後変動することも。

箱も同様に、時計やその他の付属品を大切に守る役割がありますから、重要です。

今回は時計本体のみということで、買取価格は最大価格から大きくマイナスとなりました。

②時計の動作確認

次に、時計の健康状態を確認します。

オーバーホールはしばらく行っていないというお客様談ですが、一度タイムグラファーという健康診断機を使ってみました。

すると、日差はプラス1秒ほどと、正常の範囲内。方振り(ビートエラー)数値も0.2と、やや振り子の動きは偏りもありますが価格への大きなダメージにはなりません。

最初に少し軽く時計を振ってローターを動かす際、若干その動きや音が鈍かったため、油切れは起きていますが、全体的には大幅な修理の必要性は高くないと判断できました。

とはいえ、今後の販売や使用にあたり一度しっかりオーバーホールして整備を行うことは必須となりますから、そのコストは価格に影響します。

動作そのものとしても、特に問題はありませんでした。

ローターでの巻き上げでしっかり針が稼働しますし、リューズでの巻き上げもしっかり動力が伝わります。

また、時刻変更やデイトジャスト機構による0時ちょうどでの日付変更操作も異常なし。

今回は、時計の内部状態はすごく良いとは言えないまでも、悪くない結果でした。

③時計外観の傷

次に、時計への傷や汚れ、使用感を見ていきます。

②の時計の機械の状態から、あまり使用頻度は高くなかったことが伺えますが、少ない回数の使用の中でも、うっかりぶつけた打痕や、どうしても生じる細かい傷などは価格へ影響します。

今回は、打痕など目立つダメージはなく、小傷も点在していましたが、通常使用で避けられないレベルですので、大きな減点にはしない判断としました。

金無垢というだけに金(18金イエローゴールド)でできていますので、黄土色っぽく錆びることも懸念されますが、お客様の保存環境が良く、今回は問題ありません。

また、大切なのはブレスの摩耗。

ブレスの時計バンドはほぼ例外なく、金具同士がこすれて互いに摩耗します。

特に今回は18金イエローゴールドというステンレスに比べ明らかに柔らかい金属でできていますから、摩耗しやすいのが特徴です。

摩耗が進むと、金具の部品が小さくなり、装着感が緩くなります。加えて、ブレスごと交換する以外に改善の手段はありませんから、オリジナルのブレスの摩耗が少ないということに大きな意味があります。

今回は、使用回数が少ないため、摩耗はほぼ進行していませんでした。

時計を真横に向けてブレスがどの程度垂れるか、で測りますが、今回は20度ほどしか垂れず、金無垢としてはかなり良好な状態と考えられます。

外観状態も、減点なしではないものの、おおむね良好という評価でした。

まとめ

今回の68278は、

・外観状態はまずまず良好

・機械の健康状態も、要OHだがひどくない

・付属品が全欠品なのが痛い！

というポイントから、130万円でのお買取となりました。

付属品は、きちんと整理して保管るのが吉ですね。

時計に限らず、箱や説明書などは保管が高価買取のポイントです。

 

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