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宝石の知識8 宝石のカット2

宝石のカットについて
 
 
宝石の代表的なカット
 
について解説します。
 
 
■ファセットカット
 
 
ファセットカットとは、
 
ファセット(英語で
 
切子面・小平面の意味)
 
という言葉が示す通り
 
いくつもの小さな面が
 
幾何学的に組み合わされた
 
カッティング方法で、
 
宝石の持つ透明度を
 
最大限に生かす場合に
 
用いられます。
 
透明度と光の屈折率が高い
 
宝石に多く用いられますが
 
大別して
 
ブリリアントカット
 
ステップカットがあります。
 
 
■ステップ・カット
 
ステップカットとは、
 
宝石の外周が正方形や
 
その他の四角形に
 
型どられており、
 
切子面(ファセット)が
 
側面のガードルに対して
 
平行に削られているもの
 
を指します。
 
ステップカットは、
 
近年では
 
ブリリアントカットの
 
後塵を拝していますが、
 
1910年代半ばから
 
1930年代にかけて流行、
 
発展した装飾の一傾向で、
 
幾何学図形をモチーフにした
 
記号的表現や、原色による
 
対比表現などの特徴を持つ
 
大変な人気を誇っていた
 
カッティングです。
 
 
・エメラルドカット
 
破損防止の為に角を
 
削り取られて8角形に
 
なったステップカットは、
 
特にエメラルドカットと
 
呼ばれますが、これは
 
このカッティング方法が
 
エメラルドに対して頻繁に
 
用いられたことに由来します。
 
上部のクラウン部も、
 
下部のパビリオン部も、
 
ブリリアントカットほどの
 
厚みを持たないため、
 
輝きという点においては
 
見劣りしますが、
 
テーブル面が広いことから、
 
逆に宝石の透明度を
 
引き立たせるカッティング
 
方法ともいえます。
 
 
・バゲットカット
 
バゲットカットは
 
ステップカットの内
 
で最も有名なものですが
 
バゲットカットを
 
施された宝石は、
 
宝飾品の中央に配置された
 
ブリリアントカットの
 
メインストーンの
 
脇に配置されることが
 
多いようです。
 
 
・スクウェアステップカット
 
スクウェアステップカットは、
 
角が削り取られていない点が特徴で、
 
アンティークジュエリーに
 
よく見られるデザインです。
 
同じく四角いデザインの
 
プリンセスカットと
 
似ている点もありますが、
 
スクウェアステップカットの
 
特徴であるシンプルな
 
ファセットで見分けが付きます。
 
キューレットはあったり
 
なかったり、まちまちです。
 
 
■ミックス・カット
 
ミックスカットとは、変種を
 
含むブリリアントカット、
 
及びステップカットの両方の
 
特性を備えたカッティング方法を
 
指し、歩留まりの維持しつつ、
 
ブリリアントカットの
 
視覚効果とステップカットの
 
デザイン性を組み合わせる
 
ことを目的としています。
 
通常は上部のクラウン部に
 
ブリリアントカットが施され、
 
下部のパビリオン部には
 
ステップカットが施されます。
 
ミックスカットが最初に
 
登場したのは1960年代ですので、
 
比較的最近誕生した
 
カッティングといって
 
よいでしょう。
 
ミックスカットは商業的に
 
大成功を収めており、
 
ラウンドブリリアントカットが
 
維持していた人気の牙城を
 
崩すほどの勢いを
 
持ちつつあります。
 
 
・バリオンカット
 
ミックスカットの内、
 
最初に登場したのは
 
バリオンカットで、
 
1971年のことでした。
 
南アフリカのバジル・
 
ウォーターメイヤー氏が
 
考案したこのカッティングは、
 
彼の妻であるマリオンに
 
ちなんで名づけられ、
 
研磨されたガードルを
 
もつ8角形、もしくは
 
四角形のデザインを
 
特徴としています。
 
総ファセット数は、
 
キューレットを除いて
 
クラウン部に25、
 
パビリオン部に29、
 
そしてガードル部に
 
8のトータル62です。
 
バリオンカットの特徴は、
 
パビリオン部に形成された
 
パビリオンファセット、
 
及び三日月形のファセット
 
によって、上部のテーブル
 
ファセットに浮かび上がる
 
十字模様です。
 
 
・レイディエントカット
 
バリオンカットと
 
似通ったカッティングとしては、
 
レイディエントカットが
 
ありますが、こちらの
 
総ファセット数が70です。
 
バリオンカットにも
 
レイディエントカットにも
 
非常にたくさんの変種があり、
 
各宝石には大同小異の
 
アレンジが施されています。
 
 
・プリンセスカット
 
最も成功を収めた
 
ミックスカットとしては、
 
イギリス・ロンドンの
 
A・ネイジーが1960年に
 
世に送り出した
 
プリンセスカットが
 
挙げられます。
 
プリンセスカットは当初、
 
平らな紅柱石の為に
 
考案されたものでしたが、
 
人気の上昇に伴い、
 
AGSを始めとする団体は、
 
ラウンドブリリアントカットに
 
匹敵するほどの厳密な
 
評価基準を設けたほどです。
 
プリンセスカットの絶大な
 
人気の秘密は、他の
 
ミックスカットと比較して
 
宝石の輝きを引き立たせる
 
いう点の他に、カットに
 
よって失われる原石を
 
最小限にとどめることが
 
出来るという点にあります。
 
 
・フランダースカット
 
その他のミックスカット
 
としては、角を削り落とした
 
スクウェアカットの変種とも
 
言えるフランダースカット
 
などがあります。