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ジェット(Jet)
ジェット(Jet)
黒玉(こくぎょく)
鉱物学データ
組成 c+不純物
結晶系 非晶質
モース硬度 2.5~4
魔除け、厄除けの石
1.ジェットとは
ジェットは、長い年月を経て
海底で生まれた木の化石です。
海底に沈んだ樹木が、
圧縮されて炭化し化石と
なったもので、古くでは琥珀
(樹液の化石)の一種だと
考えられていました。
その名残からか「黒琥珀」とも
呼ばれています。
「木が炭化した」という言葉の
とおり石炭のような性質です。
石炭より硬度は高いものの、
原石は石炭のようにも見えるため、
このままで美しいと感じる人は
少ないかもしれません。
しかし磨き上げることで、
独特の美しい光沢を
持つようになり、まさに古くから
「漆黒の宝石」として
身に付けられていたことにも
納得がいきます。
ジェットはイギリスの
ヴィクトリア女王が
愛用した宝石としても有名です。
古くからジェットが
宝石としても愛されていた理由は、
「美しく、軽い」ためでしょう。
木の化石であるため
他の宝石より軽く、
扱いやすかったことも
注目されたようです。
ジェットには2種類あり、
研磨すると艶のある光沢が出る
「ハード・ジェット」と、
木目が表面に浮かび上がる
「ソフト・ジェット」に
分類できます。
「ハード・ジェット」は
ジュエリーとして
用いられることが多く、
フォーマルな席でも
使われています。
ただし、ジェットは
ジュエリー以外では
あまり流通していないため、
希少価値が高まっている石です。
2.ジェットの歴史と言い伝え
ジェットの持つ歴史は古く、
旧跡時代から人々に
愛用されてきました。
ジェットは研磨しやすいため、
古代から宝飾品などに
用いられてきました。
最も古いものは、スペインの
アスチュリアス地方で発見された、
約紀元前17000年頃の
装身具だとされています。
もとが木であるジェットは、
燃やすことで独特の黒煙を
あげることから、
特殊な力が宿るとされ、
魔除けのお守りや装飾品として
用いられてきたようです。
有名なエピソードとして、
19世紀のイギリスにおいて、
ヴィクトリア女王が
長年愛用していたことが
伝えられています。
夫のアルバート公が
亡くなられた際、
彼女がモーニングジュエリー
(死者を弔う意味のジュエリー)
として愛用したことから、
貴族を中心に爆発的な
人気を呼んだそうです。
ヴィクトリア女王がそれから
20年以上にわたってジェットを
身につけていたと言われています。
彼女はファッションリーダー
としても有名であったことから、
ジェットは瞬く間に世界中で
知名度が高まっていったようです。
そのため、古くから人々の歴史に
登場していたジェットですが、
100年ほど前に一時的に原石が
枯渇して幻の宝石と
言われるようになりました。
現在では、最上質なものは
原石が枯渇していることから
ほとんど出回っていないようです。
3.ジェットに伝わる意味
ジェットは、
魔除けや旅の護衛の力が
あると信じられているため、
古くから故人を追悼する
装身具としても
身に付けられており、
スピリチュアルなパワーが
大変強いと信じられてきました。
あらゆる人や物から
悪い干渉を受けないように
サポートしてくれるとされ、
人生が良くない方向へ
進んでしまうことを
防いでくれると
伝えられています。
お仕事や人間関係においても、
悪い影響を受けてしまうことなく、
「自分らしくありたい」と
願う人の力になってくれる
宝石です。
周囲からの影響を
受けやすい場合は、
普段から身に付ける
と良いとされています。
ジェットのカラー・種類
ジェットは真っ黒の天然石で、
比較的マットな質感です。
木の化石なため、
他の天然石より
明らかに軽いのも特徴です。
ジェットの原産国
アフリカ、アメリカ、
中国などで産出されています。
取り扱い・お手入れについて
硬度が低いため、
衝撃に弱いのでぶつかったり、
擦れたりしないように
取り扱いに注意してください。
また水分や汗にも弱いので、
着用時などは汚れをしっかり
拭いてあげるようにしましょう。