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クンツァイト(Kunzite)
クンツァイト(Kunzite)
リチア輝石(リチアきせき)
鉱物学データ
組成 LiAl[Si2O6]
色 ピンク、バイオレット、グリーン、イエローなど。
結晶系 単斜晶系
硬度 6.5~7
比重 3.03~3.23
純愛の石
1.クンツァイトとは
クンツァイトはスポデューメン
(和名:リチア輝石)という
鉱物の一種です。
花崗岩質ペグマタイトに、
レピドライト(リチア雲母)や
エルバイト(リチア電気石)など
リチウムを含有する鉱物とともに
産出されることがよくあります。
クンツァイトは、大きな結晶が
産出するのが特徴です。
単斜晶系に属した塊状でもみられ、
柱状結晶の場合は、垂直軸に
特有の平行な条線や溝が
あることが多く、へき開性のある
塊として産出したりもします。
一方向に割れやすい『へき開性』が
強いため、宝石としてカット
されることはあまりありません。
見る角度によって色の濃さが
変わる多色性もあり、カットする時は
一番濃いピンクをテーブル面から
よく見えるようにします。
スポデューメンのうち、
桃色~紫色に発色したものが
クンツァイトであり、
緑色~黄緑色のものはヒデナイト、
黄色いものはトリフェーン
とよばれています。
2.クンツァイトの歴史と言い伝え
クンツァイトは、『スポデューメン』
(鉱物名)の一種とされ、
特にピンク色のものをいいます。
スポデューメンの語源は、
ギリシャ語で『燃えて灰になる』
という意味に由来します。
この鉱物は加熱すると
著しく熱発光するため、
そのように呼ばれているのです。
この鉱物は和名をリチア輝石といい、
発見された当時からリチウム金属
などの原料とされていました。
リチウム電池などの資源としても
このリチア輝石が用いられています。
古くでは資源として
用いられていましたが、
スポデューメンの中でも
美しい色合いを持つトリフェーンや
ヒデナイト、クンツァイトが
発見されてから、宝石としても
広く知られるように
なっていきました。
1902年にアメリカ、
カリフォルニア州で発見された
比較的新しいストーンで、
カリフォルニア・アイリス
という別名もあります。
クンツァイトという宝石名は、
発見者である宝石学者クンツ博士に
ちなんで命名されました。
クンツ博士はティファニー社の
主席宝石鑑定士・副社長を
務めたことでも知られており、
宝飾史に大きな足跡を残した人物です。
2021年には全国宝石卸商協同組合(ZHO)
がクンツ博士の偉大な功績をたたえ、
クンツァイトを博士の誕生月である
3.クンツァイトに伝わる意味
クンツァイトの石言葉は、
「無償の愛」「無限の愛」
「純粋さ」「可憐」など。
ほかにも「聖母マリアの石」、
「神の愛に繋がる石」という
表現をされることもあります。
クンツァイトはその柔らかで
美しい色味から愛の石として
知られていますが、
その愛はクンツァイトから
もたらされる癒しを
ベースにした愛の形からなるもの
という意味がこめられています。
ピンクカラーの天然石は
愛がつく石言葉を持っていることが
よくありますが、
優しく包み込むような愛の力で
持ち主の心を癒し、人を愛すること、
愛を与えることの喜びに
気づかせてくれるとされています。
クンツァイトのカラー・種類
クンツァイトは、
スポデューメンという
鉱物のなかでも、
微量のマンガンを含んでピンク系の
カラーに発色したものです。
クロムによってグリーン系のカラーに
発色したものはヒデナイト、
鉄などの影響でイエロー系に
発色したものはトリフェーンと
よばれています。
パワーストーンとしては、
宝石質でクリアタイプのもの、
そしてミルキータイプの
2種類が見られ、
クリアタイプの方が希少で
高価になります。
ライラックピンクとよばれる、
紫色を帯びた優しいピンク色が特徴です。
クンツァイトの原産国
クンツァイトの産地はブラジル、
パキスタンやナイジェリアなどです。
取り扱い・お手入れについて
クンツァイトの硬度は
6.5~7と決して低いわけではありませんが、
へき開性という割れやすい性質を
持っていますので、
衝撃が加わらないように注意が必要です。
紫外線での変色の恐れもあります。
普段のお出掛けなどは問題ありませんが、
直射日光に当たる場所などでの保管は
避けるようにしましょう。