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クリソコラ (Chrysocolla)

クリソコラ (Chrysocolla)

 
 
珪孔雀石(けいくじゃくせき)
 
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鉱物学データ
 
組成 Cu4H4[(OH)8 | Si4O10]・nH2O
硬度 2〜4
屈折率 1.57 – 1.63
結晶系 単斜晶系
比重 2.2
 

精神に調和をもたらす石

 
1.クリソコラとは
 
 
クリソコラは、銅鉱床の酸化帯で、
 
アジュライトやマラカイト、
 
ヘマタイト等とともに産出します。
 
ターコイズと同じく先史時代から
 
人気のあった歴史ある石です。
 
ターコイズに比べると脆いため
 
そのまま装飾品に使えるもの
 
が少なかったのですが、
 
それでも、ギリシアやローマの人々は
 
好んで使用したそうです。
 
クリソコラは低温で形成され、
 
明瞭な結晶系を持たず、
 
様々な状態で産出される石です。
 
その模様はまるで宇宙から見た地球や
 
エメラルドグリーンの海のように見え、
 
非常に地球的で、有機的なイメージを
 
思い起こさせます。
 
クリソコラは現代に生きる私達にとって
 
とても重要な石とも言えます。
 
純粋な物は澄んだ鮮やかなブルーを
 
しているのですが、ほとんどの物は
 
他の鉱物などが微妙に混ざり合っています。
 
タ―コイズに酷似していて
 
見分けるのが難しいものも存在します。
 
クリソコラは不透明な石ですが、
 
珪酸溶液が染み込んで珪化して
 
不透明~半透明な石になることが
 
あります。
 
クリソコラの成分中に
 
石英(クォーツ)が含まれることで、
 
明るいブルーグリーンの色合いの
 
鉱物へ変化します。
 
これは長い年月をかけてできる
 
鉱物で大変希少です。
 
希少価値と美しい色合いから、
 
このクォーツが含まれた
 
クリソコラを「ジェムシリカ」と
 
呼び親しまれています。
 
 また、透明度が少し低いものを
 
「クリソコラ・カルセドニ」、
 
透明度がさらに低いものを
 
「クリソコラ・クォーツ」、
 
縞模様があるものを
 
「クリソコラ・アゲート」と
 
 呼び分けたりもします。
 
クリソコラと一緒に、
 
ターコイズ、マラカイトなどが
 
含まれた鉱物で
 
「エイラット・ストーン」と
 
呼ばれるものがあります。
 
この石はイスラエルで産出され
 
大変美しい青緑色を持ち、
 
観光客からも人気があるため
 
イスラエルにある有名な
 
リゾート「エイラット」に由来して
 
「エイラット・ストーン」の名前で
 
世界中から親しまれています。
 
クリソコラは非常に
 
硬度が低い石である為、
 
加工して流通している物は
 
基本的に樹脂浸透等の加工を
 
されています。
 
 
 
2.クリソコラの歴史と言い伝え
 
 
クリソコラ(Chrysocolla)と
 
いう名前は、紀元前315年に
 
ギリシャの哲学者テオプラトスに
 
よって名付けられたといわれています。
 
クリソコラの語源は、
 
ギリシャ語で
 
「金」を意味する「chrysos」と
 
「接着剤」を意味する「kolla」に
 
由来しています。
 
命名当時には、
 
金を繋ぐ接着剤のような用途に
 
用いられていた為だと
 
考えられています。
 
このクリソコラという単語は他にも、
 
古代ローマ博物学者プリニウスの
 
「博物誌」や16世紀のドイツ人鉱物学者
 
ゲオルク・アグリコラの書物にも
 
登場した記録がありますが、
 
天然石としてのクリソコラではなく、
 
金を製錬する際に使用する鉱物を総じて
 
クリソコラと呼んでいたようです。
 
クリソコラの鉱石から採れた銅を
 
溶かした金に加えることでより
 
濃い色の合金が出来たためだと
 
思われます。
 
実際には金に混ぜものがされたという
 
ことなのですが、古代においては
 
純粋な金そのものが増えたと
 
信じられてこのような名前に
 
なったそうです。
 
本当に金が増えたわけではないですが、
 
ロマンを感じます。
 
金をたくさん欲することに対する
 
古代人の気持ちを感じ取ることが
 
できるエピソードです。
 
クリソコラはターコイズと同じく、
 
先史時代から親しまれていたようです。
 
現代ほどの加工技術が発展していない
 
古代では、クリソコラのような
 
硬度の低い石の加工はかなり難しかった
 
はずです。現に古来から価値が高いと
 
されてきた宝石は硬度の高いものが
 
ほとんどです。
 
それでもクリソコラが装飾品などに
 
用いられていたということから、
 
古代の人々もこの石が持つ美しさに
 
魅入られていたことが伺えます。
 
有名な伝承では、古代イスラエルの
 
第3代の王「ソロモン」が
 
愛した石だとも伝えられています。
 
「エイラット・ストーン」と
 
いう異名で親しまれている
 
イスラエル産の美しいクリソコラ。
 
これらはソロモン王が愛したことから、
 
「キングソロモンストーン」とも
 
呼ばれています。
 
 
 
3.クリソコラに伝わる意味
 
 
地球のような色模様から、
 
母なる大地を象徴すると
 
言われています。
 
クリソコラには地球のリズムを
 
刻んでそれを伝える性質があると
 
考えられてきたからです。
 
大地から生命をはぐくみ、
 
そこに生きるものたちに
 
地球の持つエネルギーを
 
与えてくれます。
 
全ての生物の母である地球のように、
 
家族や他人に対しても安定した
 
優しい感情で接することができるように
 
なると言われます。
 
パートナーとの円満な関係を
 
保つ力になってくれたり、
 
母親が本来から持つ母性を
 
高めることで、育児のお守りとしても
 
オススメできる石です。
 

クリソコラのカラー・種類

 
クリソコラは複数のカラーが
 
混ざり合った鉱物です。
 
そのため様々な色合いの
 
クリソコラがあります。
 
一般的には少し暗めのブルーを
 
ベースにグリーンやブラウンが
 
混ざり合う、まるで「地球」のようにも
 
見えるクリソコラが代表的です。
 
他にもグリーンが多く見られるものは
 
「クリソコラマラカイト」と
 
呼ばれることもあります。
 

クリソコラの原産国

 
クリソコラは様々な地域で
 
産出されますが、主にアメリカ、
 
コンゴ、ペルー産のものです。
 

取り扱い・お手入れについて

 
硬度が低い石です。
 
衝撃にも弱いのでぶつかったり、
 
擦れたりしないように取り扱いに
 
注意してください。
 
また汗や水分によって
 
変質や変色してしまう可能性が
 
あります。流水などで洗うのは
 
良く有りませんので定期的に
 
柔らかい布で拭き取って、
 
綺麗に保つようにしましょう。