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コラム:買取現場における人間心理 その1
リサイクルショップ選びのポイントは?
街中に乱立する
リサイクルショップ。
実際に利用したことが
ある方も多いと思います。
皆さんがリサイクルショップを
選ぶとき何を基準にしていますか?
お店の入りやすさ?
広告のイメージが良い?
ネット上のクチコミ?
たくさんあると思いますが
最も大事だと思うのは
「買取額が高いこと」
ではないでしょうか?
不要になったとはいえ
自分の大事な持ち物を
売るわけですから
少しでも高く売りたいと
考えるのは当然のことだと
思います。
これまでの経験を通じて
得た教訓があります。
それは・・・
「お金よりも大事なことがある」
ということです。
失敗と成功の二つの観点からお話します。
失敗事例にみる人間心理
オープン当初の当店は
「どんなものでも買取します!」
というスタンスを強く
打ち出していました。
貴金属等以外にも
着物、古民具、多種多様な雑貨、
使用感(ダメージ)の強い品物
壊れたフィルムカメラなど
本来であれば売却が難しい
ものでもせっかく貴重な
時間と車を使ってご来店
いただいたので、お足代に
でもなればと思い「10~100円」
程度の査定をして買取を
してきました。
リサイクルショップ側は
「お客様にとって少額では
あるが、買取するだけ
マシだろう」と考えがちです。
しかし、これは傲慢な考え方であり
お客様の心理は全く逆に働くのです。
お客様は様々な想いを抱えて
リサイクルショップに
やってきます。
「買ったときは高かったけど
あまり使わなかったから
定価の2~3割くらいには
なるだろう」という期待・・・。
「趣味で古民具や骨董品を
集めていてプロには
及ばないがアマチュアを
名乗れるくらいの知識は
あるはず」という自信・・・。
「亡くなった祖母から
譲り受けた着物で自分の
成人式もこれで出席した」と
いう思い出・・・。
そのなかで期待を大きく裏切る
「10円~100円」と金額に
直面すると 具体的な数字で
評価をされてしまいショックを
受けてしまうのです。
気分を害してしまう方も
いらっしゃいました。
なかには実際にいいモノで
あったためいい意味で
期待を裏切ることができ
買取が成立したケースも
あります。
当店ではそうした経験を踏まえ
方針を変更し少額の値付けを
するのではなく
「申し訳ありませんが当店の
買取対象ではありません」
とか
「私の勉強不足のため
適正に評価することが
難しいです」とやんわりと
お断りさせていただいて
おります。
想いのつまった着物
桐生市は織物の街、
着道楽の街ということで
着物の買取に関する
お問い合わせが
非常に多いのですが
着物ほどお客様の
想いが込められている
品物はないと思います。
実際に身に付けていた
ものであること
冠婚葬祭という人生の
節目に関わったもので
あること
非常に高い買い物で
あったこと
こうした特徴が想いの
強さに反映されます。
しかし着物は、サイズの問題や
長期保管によるダメージ、
ファストファッションの流行や
コロナ禍によるイベント減少など
様々な要因によりリサイクルや
リユースが非常に難しいのが
現実です。
そうした状況のため当店では現在
着物の買取を行っておりません。
結論として言えること
『お金よりもお客様の想いが大事』
ということです。
いかがでしょうか?
今回は私の失敗例から
学んだことをお話ししました。
買取の成功例から学んだ
人間心理については次回で
お話ししようと思います。
鑑定士 柏原