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宝石の知識 宝石とは？
宝石の知識 宝石とは？
日本国内における「宝石」という言葉の定義、および
天然宝石・処理宝石・人工宝石の違いについてご説明します。
宝石の定義
宝石の世界的な定義は、希少性が高くて美しい外観をもちこと。
さらなる条件としてモース硬度が7よりも高い天然鉱物を指します。
石英のモース硬度である7が宝石の硬度基準として設定されているのは、
石英が砂埃（すなぼこり）中に多く含まれており、
石英以上の硬度を持っていないと経年劣化（風化など）によって
宝石としての美観や観賞価値をたやすく失ってしまうからです。
例外的に硬度が7以下であってもオパール、真珠、サンゴなどは
その美しさと希少性から宝石として扱われる。
また日本国内においては、JJA（社団法人 日本ジュエリー協会）及びAGL（宝石鑑別団体協議会）が
「宝石もしくは装飾用に供される物質の定義および命名法に関する規定」というものを設けており、
これらの団体に加盟している鑑別機関は、この規定に従って宝石を鑑別することが義務付けられています。
規定によると、宝石は天然石と人工生産物（合成石･人造石･模造石）とに大別され、
このうち天然石のみを宝石とすることが定められています。
また天然石には、カット・研磨だけが施された自然に近いものと同時に、
何らかの人工処理(トリートメント)を施した石も含まれます。
よって、原石にカット以外の何らかの人工処理した天然石も「宝石」だということです。
宝石の種類
宝石の種類に関しては、一般的に以下のような分類がなされます。
ただし日本国内においては、JJA（社団法人 日本ジュエリー協会）
及びAGL（宝石鑑別団体協議会）によって宝石と認定されていないものも幾つかあります。
天然宝石（てんねんほうせき）
天然宝石とは模造宝石に対立する言葉で、
人為的な操作が加わっていない宝石類のことです。
但し、研磨やカットを除きます。
処理宝石（しょりほうせき）
処理宝石とは天然宝石にエンハンスメントと呼ばれる外見上の改良処理や、
トリートメントと呼ばれる改変処理が人工的に加えられ石を指します。
但し、現在はエンハンスメントとトリートメントという厳密な区分がなくなり、
宝石に施される人工処理は一律で「トリートメント」と表現されます。
合成宝石（人工宝石）
人工宝石（じんこうほうせき）とは人間によって科学的に生み出された、
天然宝石と化学成分・物理特性・内部構造が同じ宝石のことを指します。
但し、JJAやAGL加盟鑑定機関においては宝石と認められません。
宝飾品として以外は、工業目的に利用されています。
人造宝石（じんぞうほうせき）
人造宝石とは天然宝石とは異なる物質を使用して作り出された、
天然宝石に酷似した宝石を指します。
もともとは工業用材料の開発において、
偶然生み出されたものを宝石向けに転用したものです。
但し、JJAやAGL加盟鑑定機関においては宝石と認められません。
模造宝石（もぞうほうせき）
模造宝石とは、ガラス・プラスチック・陶器・骨・植物などを使用して
天然宝石を模したものを指します。
ラインストーンやタチウオの皮を貼った模造真珠、
プラスチックパールなどがあります。
但し、JJAやAGL加盟鑑定機関においては宝石と認められません。
貴石と半貴石
宝石を取引する上での呼び名として貴石（きせき/precisous stone）と
半貴石（はんきせき/semi-precious stone）という表現があります。
国や専門家によって定義づけがあいまいなため
正確な説明をすることは困難ですが、一般的に貴石とは
五大宝石（ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、アレキサンドライト）、
もしくは『硬度や希少性、外観の美しさを基準として選定した宝石』を指します。
一方「半貴石」とは、『貴石以外の全ての宝石』、というあいまいな意味合いです。
宝石業界でも意見はバラバラのようです。
以下はそれぞれの基準に着目して選定した貴石です。
希少性を基準とした貴石
■ダイヤモンド（diamond）
■ルビー（ruby）
■サファイア（sapphire）
■エメラルド（emerald）
■アレキサンドライト（alexandrite）
硬度7以上を基準とした貴石
■トパーズ（topaz）
■ジルコン（zircon）
■アクアマリン（aquamarine）
■キャッツアイ（cat's eye）
■トルマリン（tourmaline）
■ガーネット（garnet）
■ペリドット（peridot）
美しい外観を基準とした貴石
■ヒスイ（jadeite）
■オパール（opal）
■真珠（pearl）
今回は、「宝石とは」についてご説明いたしました。
次回は、宝石の知識の第２弾「宝石の硬度」についてです。
宜しくお願い致します。
