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リサイクルマート京都松井山手店の辻本です！

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今から約100年前，日本を代表する陶磁器会社ノリタケの前身である日本陶器，そのまた前身の森村組が，明治中頃に外貨獲得を目指してファンシーと呼ばれる飾り壺や飾り皿を生産・輸出し始めたのがオールドノリタケの始まりだった．その後，森村組は近代的洋式工場による輸出用洋食器の大量生産を目指して日本陶器を明治37年に設立した．オールドノリタケとは，その誕生から約50年後の第２次世界大戦が終わるまでに，森村組と日本陶器が生産した製品群の総称である．

一方，日本人が日々の暮しにのみ励まざるを得なかった終戦後しばらくの間，日本陶器製高級品の多くが，占領米軍関係者たちの手に渡ったようだ．それらは，現在米国で発見されており，オールドノリタケに対してプレミアノリタケと呼ばれる.

現在の取引相場から離れて，オールド・プレミアノリタケの中で最も工芸性の高い製品は何だろうか？画付け者のサインが記された製品が，それらの中のひとつであることに間違いはない.サイン入り製品のほとんどが皿と花瓶であり，とくに皿底に小穴の開けられた額皿は，実用製品の生産を専門とした日本陶器としては珍しく，置物と並んで専ら鑑賞のみを目的とした製品だといえる.サイン入り額皿は大正期より少数生産され始めたようだが，手描きの製品に限って言えば，昭和10～40年頃が生産のピークだったようだ．

画付け職人の引き抜きが盛んであった頃，森村組・日本陶器は他社に先んじて画付けを分業化することで引き抜きの防止を図ったらしい. 複数の画付け職人が協力してひとつのオールドノリタケを画付けしていた．しかし，画付けデザインの原画を描いていた人々と彼らの養成機関が存在していたはずである．日本陶器では，従業員の教育と福祉を目的として明治42年に発足した同仁会の中に設けられた技芸科がその役割を担っていた．技芸科は日本画，洋画，彫刻の３部門で構成され，従業員の技芸の進歩を目的としていた．オールド・プレミアノリタケの中に見られるサイン入りの製品は，そのほとんどが洋画部門で特に優れた画付け者の作であると考えられる.